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藤堂さんち

こちらは株式会社トミーウォーカー運営のPBW『サイキックハーツ』の藤堂・丞、藤堂・朱美、及びそのプレイヤーであるりんかなによるPBW関係雑記ブログになります。ブログ内のイラストの使用権はりんかなに著作権は登録絵師様方に、全ての権利はトミーウォーカー(株)が所有します。要するに、無断転載禁止!

朱美と朱美 世界の卵から灼滅世界の君へ 後編

先ほどのものの続きになります

こちらの方はよりアンオフィ全開…!

サイキックハーツサイドでの話

時期は藤堂家のクリスマスになります
それは通じるはずのない声
銀の世界から灼滅の世界へ
同じ名前の少女に届いた声なき声
だから、これは
クリスマスの夜に起きた小さな奇跡


『わたしはね、ここにいるんだよ』
『だから、忘れないで、わたしを忘れないでっ』


「……?」
武蔵坂に来ての初めてのクリスマスの夜
いっぱいはしゃいですっごく楽しかったはずなのに変な夢で目が覚めた
楽しくて寂しい夢
だから、わたしは
「……にいちゃーん」
「ー?どうした、こんな時間に」
いつものように兄ちゃんのところへ

「えっと、えっとね」
…言葉にならない、だけどだけど寂しい
ぎゅっと抱きつく
「あのね、女の子がね」
夢の話をする。
ふわふわの動物さんに囲まれて嬉しそうなのに
だけど寂しそうに声を出さずに泣いていた女の子の夢を

「それで、ね。忘れないでって。そういって泣いてたの」
途中で泣いてしまって、きっと、何を言ってるかわからなかったと思うけど
兄ちゃんは黙って聞いてくれていた
「そっか」
ぽんぽんと頭を撫でてくれる
わたしが泣いてる時にいつもそうしてくれるように泣き止むまで
「朱美はさ、それでどう思ったんだ?」
ど、う?
「えと、泣き止んでほしい、なって」
なんでかわからないけど、ほんとにそう思ったの

「なら、さ。忘れないでいてあげよう。いつか、その子が笑ってくれるようにさ」
「それでお前は笑ってるんだ。あの子も笑ってくれるように」
…ん
「それで、いいの?」
それであの子は寂しくない、のかな?
そんなことでいいのかな?
そしたら兄ちゃんは笑って答えてくれた。
「だって、その子だってお前に泣いてほしくて言ったわけじゃないんだろう?
それにその所為でお前が寂しそうだったら余計に悲しくなると思うぞ」
「……うん」
ほんとはよくわからなかったけど、多分兄ちゃんがいうならそうなんだと思う。

「…まあ、落ち着くまで付き合うよ。何か飲むか、用意するぞ?」
「……ほっとみるく」

こうして兄妹の夜は更けていく
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