藤堂家の年の瀬

少し時期外れですけれど…正月、というか大晦日夜の兄妹の様子です

現在時刻31日、大晦日の昼13時
「今年はぜーったい起きて、除夜の鐘聞くんだからねっ」
炬燵で宿題をしていた朱美が突然顔を上げて元気よく宣言する。
「…でも、お前確か去年も同じこと言ってなかったか？」
丞はキャラシを埋めていた手を止め、思わず生ぬるい笑みを浮かべる
「ふふー、去年とは違うんだからねっ」
と、どや顔で告げる朱美。
（いや、何がどう違うんだ…？）
「そかー……今年は起きてられるといいな」
丞は内心突っ込みつつもぬるく流すこととした。
「ほら、それはいいからお前は早く宿題を終わらせろって」
じゃないと、お年玉あげないぞ、とのお言葉に慌てて再開をする朱美。
この辺りは毎年の恒例行事である。


そして現在…時刻は31日22時30分
「おーい？」
丞の目の前には炬燵にもぐりこんで寝息を立てている朱美の姿が。
「今年は聞くんじゃなかったのかぁ？」
「すー、すー…んん………」
大変気持ちよさそうな寝顔である。
（そら、晩飯あれだけ食べて、年越しそばもしっかり食べたしなぁ…）
この体のどこにあれだけ入るのやら、食べっぷりを思い出し思わずため息をつく。
なお、朱美の就寝時間はおおよそ21時～22時。
（ま、今年はよく頑張ったほうか）
「まあ、来年に期待というとこで」
新年早々風邪をひいてもつまらない。
起こさない様に抱きかかえ、布団に寝かしつける。

藤堂兄妹にとってはここまでは本当にいつもの年末である。

が、しかし

・・・・・・20分後

何故か完全防備で玄関を出る丞の姿が。
(待ち合わせまで残り20分）
「さすがに、遅れて行くわけには行かないし……行くか」
神社へ向けてひた走る。

どうして丞は走っているのか。

続きはイベシナでっ